ミチスガラ

LDHアーティストが好き。色々書きます

自分なりの『THE SURVIVAL 2022』

『THE SURVIVAL 2022 BALLISTIK BOYZ vs MA55IVE × PSYCHIC FEVER』

THE SURVIVAL 2022 ~BALLISTIK BOYZ vs MA55IVE~ × PSYCHIC FEVER特設ページ | EXILE TRIBE mobile (tribe-m.jp)

6/19・神戸国際会館こくさいホール 

6/20・オリックス劇場 

の2公演観覧。7/3東京ガーデンシアターのPPV生配信も視聴してました。

以下、当日メモからセットリストをざっくり、一部省略しつつ拾いながらの感想。

楽曲や個人に対する感想も混在しているためそこそこ長くなっている点ご留意ください。

【オープニング】

・「Determined」ANTI-HERO'S」「PSYCHIC FEVER!!」

1グループずつ“VS”をはっきりと押し出すための名刺代わりの1曲。他のグループは判別つかなかったんですが、MA55IVE THE RAMPAGE(以下MA55IVE)は全体的に低音がしっかりブーストされていて、後々THE RAMPAGEの楽曲をやった時にも相対的に中高域控えめに聴こえてきたのが新鮮に感じられました

(ただ、今までのTHE RAMPAGEのライブでそこまで鳴り方に集中しながら観たことはなかったので(席位置による差もあるし)、自分が気が付かなかっただけでMA55IVEはいつもそうなのかもしれない。それこそ席位置にもよるかと思うけど、2回とも所感は同じだった)

加えてSEが一旦大きくなってから暗転するというオープニングの仕方、合間をつなぐDJなど、クラブ…には正直さほど馴染みがないので滅多なことは言えないけども、何にせよ小バコのイベントっぽさ、ある種の手作り感のようなものを演出する狙いもあったのかな…と想像しています。

あとBALLISTIK BOYZがここで「テンハネ -1000%-」とかではなく「ANTI-HERO'S」だったのが熱かったですね。

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つい先日の奥田力也さんのCLキャス配信で、PSYCHIC FEVERのデビューに際して「自分達も下積み期間は長かった(留学もあったので)。でも全ての経験が後に繋がっている」という話があったように、彼らも一人一人すんなりとここまで来たわけではなかった。Dメロの【本音を隠して とぼけ顔して/暗闇を自由に踊れ/主演を喰う悪役-Villain-みたいに/咲いて散るまでのLife】という詞がとにかく好きです。

そして前二組に見劣りせず堂々としたステージングを見せていたPSYCHIC FEVERも相変わらず良かった。それこそ今までサポートダンサーとして、またグループとして様々な形で積み重ねたステージ経験の全てが、今の完成度に繋がっているんでしょうね。

【MA55IVE THE RAMPAGE】

「Who I am」「No.1」「Drip Drop」「新曲(タイトル不明)

過去の記憶から想像していた何倍も良かった。『RAY OF LIGHT』の公演を観た時も思いましたが、それぞれの声の響き方やその個性が年々明瞭になってきているように感じます。ライブや制作の過程で色々な表現の模索・研究があったのかも。

それと東京ガーデンシアターの時には『HiGH&LOW THE WORST X (クロス)』の挿入歌「RIDE OR DIE」も披露されてましたが、

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これぞハイローというかザワの曲だ!と思わせる、MA55IVE製ミクスチャーロックでしたね。神谷健太さんの澄んだ歌声が良いギアチェンジの役割を果たしていたのが特に印象的でした。言うなれば「FULLMETAL TRIGGER」における吉野北人さんのような。

私は『RAY OF LIGHT』ツアー名古屋公演の方でもこの曲を聴けたんですが、

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なんか『Rollin'』(↑)みたいな曲が来た!!

と驚いたものです。でも今思えばLinkin Parkの「One Step Closer」の方が近いかもしれない。

何にせよ、その辺り(00年前後)のラップロックが参照されている気配をビシビシ感じる曲です。サビはもちろんのこと、神谷さんのパートの半音ずつ下がっていくメロ、不穏感のあるBメロ。あと浦川さんがサビに繋いでいくフレーズの音階にもLinkin Park的なエモさがあるし、2ヴァース目の鈴木さんのちょっと裏返る語尾も、この曲調だと心なしかLimpっぽく聴こえてくる。まさかMA55IVEがこんな曲をやってくれるとは!音源解禁が楽しみです。

【PSYCHIC FEVER】

「Tokyo Spiral」「Best For You」「Hotline」

『ANSWER...』ツアーでもパフォーマンスは観ていましたが「Tokyo Spiral」だけは未見だったので楽しみにしていました。

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まだアルバムの音源も未解禁の時だったので、あの【Ain't gonna stop our bond, is unbreakable~】の結構高い部分を誰が歌うんだろう?と密かに気になっていたのもある。実際に観てみたら、その前のパートを歌ってる小波津志さんがそのまま結構余裕のある感じで歌っていたので思わず拍手したくなりました。あと半田龍臣さんのサビ、微妙なモタらせ方にライブ感があってカッコよかったです。

そして「Best For You」しみじみと良い曲ですね。

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(デビュー日の東京はすごい雨だったようで。ずぶ濡れの中お疲れ様でした…)

小波津さんとWEESAさんは質感や響き方が比較的近しくてスムーズな流れが感じられる一方、小波津さんと渡邊廉さんの場合はコントラストが際立つ印象です。とはいえ、デビュー作の時点で既に楽曲にも歌い方にもある程度バリエーションがみられるので、今後そうした印象もどんどん変化していくのかもしれません(楽しみだな~)。

BALLISTIK BOYZ

「Animal」「Most Wanted~Front Burner~Make U a believer~44RAIDERS」「All Around The world」「ラストダンスに BYE BYE」

泣く子も黙るAnimal」から。メドレーは昨年よくやっていた流れを若干引き延ばしたようなものだったと記憶しています。「Most Wanted」の海沼さんから始まる1ヴァース目、聴く度に「すごくP-CHOさんっぽいな~」と思ってしまいます*1。頭と終わりに最近のクールな良曲を持ってきてモード調整するような構成がカッコよかった。

一人一人の個性の際立ち方とその魅力に関しては既に何度も実感・言及してきていますが、今回もまた改めて感服しました。何度もそう思われされるのはつまり、都度進化していってるということなんですよね。

最新曲「ラストダンスにBYE BYE」、最初に聴いた時は正直「これバリの曲!?」とビックリしました(ラップパートの配分と日本語詞のテイストが表題曲としては珍しく感じたので)。ただ「All Around The world」からの流れで聴くと、声よりもまずビートに気がいくような今っぽい音のバランスに一貫性を感じますね。

その上で「ラストダンス~」はよりソウル・ファンク的グルーヴを持つ曲であり、AORっぽいウワモノの音や【その指でスワイプ(中略)止まったままのタイムライン】など同時代性を持たせた詞にはシティポップ的な性質もある。なおかつ日本語詞のリズムと歌謡性により、個々の歌唱力と表現力が試される曲です。

www.youtube.com(声の情報量が多く聴くだけで精一杯になるのでMVをあまり通しで観れていません)(観ろよ)

しかもダンスも精巧。ビートの刻みと、曲線的で浮遊感のあるシンセが別個に視覚化されるサビが美しいですね。

振付者はプロダンサーKAITAさんとKAZtheFIREさんからなるダンスグループ・Dr.SWAG*2。お二人ともLDHアーティストの振付を多数手掛けています*3*4。なおKAITAさん個人では、LIL LEAGUEの「Roller Coaster*5」やPSYCHIC FEVER「Choose One」。そしてKAZtheFIREさん個人では「Best For You」なども振付されています。

「ラストダンスにBYE BYE」、あと「Choose One」の2サビ等もそうですが、あえてサビで歌唱していない人をセンターに置いた陣形になるのが良いですね。自然と視点に奥行きが生まれやすくなる気がします*6。センターに立って踊る松井さんと奥田さん、圧倒的な存在感がありますしね。

(この機会にと思って楽曲について語りすぎました、すみません)

【コラボとショーケース(ビートボックス→メドレー→ダンス→ラップ)】

渡邊さんのビートボックス、発音と音圧が安定していて迫力がありました。かなり肺活量が要りそうなので「Best For You」のサビ等、強いアタック感を維持したまま真っ直ぐ飛んでくるあの歌声は肺活量の賜物なのかもな、と考えたりしました。

ダンスショーケースで特に印象的だったのは深堀未来さん→浦川翔平さんというアクロバットの流れ。あの深堀さんの後に連続して浦川さんが出てきた瞬間のアガり具合というか「これは絶対この二人じゃないとね」と納得できる流れ、実績とスター性が実感できる良いシーンでした。その他も奥田力也さん&LIKIYAさんとか、松井さん&山彰さんとか、思わずニヤリとさせられるような登場順と組み合わせが楽しかった。

あと途中のMC陣によるマイクリレーも素晴らしかったです。いつもの楽曲とはまたひと味違う、スキルとエモーションで畳み掛けるようなラップが多くて見応えがありました。

・「playboi」

MA55IVEのライブ(というか声)が進化していたというのは先述した通りですが、その中でも今回のツアーにおける山本彰吾さんを観られたのは自分にとって良かった事のように思います。カッコよかった!

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playboi」の山彰さんは音源の時点でインパクトが強いですが、ステージで披露した時にはちゃんと音源以上のライブ感がある。強くて綺麗なシャウト具合にも惹きこまれました。

あと浦川さんも、元々MA55IVEの中では一際エモーショナルかつ華やかな印象が強かったですが、近作ではご自身のダンスパフォーマンスにも通じるようなトリッキーかつキャッチーなフレーズも増えてきて、ますます個性が際立ってますよね。

かと思ったら「RIDE OR DIE」のような曲も出てくる。良い意味で予想がつかない人達です。

・「君となら」

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2014年の『EXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014 “THE SURVIVAL"』では今市隆二さんと登坂広臣さん、SHOKICHIさんとNESMITHさんの4人で歌われていた「君となら」。BALLISTIK BOYZのボーカル陣が並んだステージの真ん中にスタンドマイクが1つ多く置かれる、という流れによって全てを理解した神谷さんファンが崩れ落ちるという事象があったらしいですが(良い話だなぁ)、歌が聴けるのはやっぱり嬉しいですね。『iCON Z』でも思いましたがつくづくEXILEや三代目JSBの楽曲がハマる、甘く優しい歌声だった。このツアーでは大活躍でしたね。

【CL生配信タイム】

「Choose One」

チルいトラップビートとウェストコーストロックのようなギターフレーズが夏らしく爽やかな一曲。聴けば聴くほど詞が良い。【OSみたくFreshでいたいじゃん】とか【俺たちには天井ないっす】とか軽快で緩いフレーズがクセになる。

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『iCON Z』で初披露された時には何となく“One”=PSYCHIC FEVERのことで、つまり“俺達を選んでくれよな”的な意味なのかと勝手に思っていましたが、実際はそうではなく“君の選択を応援するよ”“どんな道を選んだとしても共に居るよ”と聴き手の背中を押す歌でした。 テンポよく耳に入ってくる【どこにいても With you/大丈夫だよ きっと】というフレーズにグッときてしまう。

歌い出しのWEESAさんの少し枯れた渋い声と渡邊さんの強い胸声、二人の明るいトーンが楽曲の空気感にすぐ引き込んでくれる上、そのあと小波津さんが艶のある声でBメロの展開に連れていってくれて…と、拾っていくと長すぎるので割愛しますが*7、声と展開の連動で作られるダイナミクスにもこだわりが感じられます。

「Way Up」

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MA55IVE初のフィジカルリリースとなった『5』収録の新曲Way Up」。

ピアノとブラスのフレーズがどこか物寂しい感傷を呼び起こす、個人的にめちゃくちゃ好みの楽曲です。いわゆる4-5-6進行*8やその類似形を鳴らす鍵盤の音に私は面白いほど弱いんですが、まんまこの曲です*9

各人のフロウにも、これまでのアッパーな楽曲とは大きく異なる味が出ています。まずLIKIYAさん→鈴木昂秀さんという流れのフックが新鮮です。持ち前の太い声で安定して低域を担っている人というイメージがあるLIKIYAさんによる細く素朴な歌い回し、あと後続の鈴木さんのドライな空気感。投げ出すような語尾の絶妙な着地にもこれまでにない表情が見えます。

そして山彰さん、あの無機的にもセンシティブにも聞こえるような声も当たり前に相性が良いですね。ブリッジ的部分を担っていて後半にパンチラインが与えられている、という構成がぴったり合ってます。“今もいい でも未来もっといい”。

・「WAVIN'」

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半ば恒例化しているBALLISTIK BOYZの夏ソングですが、今年は「WAVIN'」がそれにあたるようですね。

「SUMMER HYPE」「SUM BABY」という過去の2曲においても、明るい曲調の中でスパイス的に入れこまれていた夏の“儚さ”の色味。今回はそれが楽曲全体に広がったかのような、幻想的な音像のトロピカルハウスです*10。「ラストダンス~」と同じくMC陣の歌メロ的なフレーズが多く、サビまでの流れがどこも味わい深いんですが、中でも日高竜太さんの歌うブリッジ部分にハッとさせられます。やはりこの人は厚みと深みがあるせいか、声が重なると独特な聴き心地になりますね。

【3組コラボのメドレー】

・「PASION」「Fandango」「Jump」「Life Is Party」「SUMMER HYPE

「PASION」からアンコール前ラストの「SUMMER HYPE」まで、3グループ全員でパフォーマンスする時間。バリのボーカル陣と神谷さんによる「Fandango」を聴くのがとりわけ楽しかった記憶があります。目と耳を20ずつ追加発注したかった。

【アンコール】

・「Heads or Tails」「No Limit」「24WORLD」

初観覧時はセトリをほとんど知らない状態で行ったんですけど、アンコールの後でイントロが鳴った瞬間に思わず勢いよく立ち上がってしまいました。リリース時とトリビュートに関する記事を書いた時、とにかく何十回と繰り返し聴いていたので…。

『LIVE×ONLINE』での初披露時からは当然パフォーマンスも新しくなっていて、やっぱりというか、3・3で分かれたメンバーの中心を深堀さんが闊歩しながら歌うBメロのエモさにやられました。そこからサビまでの流れもライブで聴くと一層迫力がありました。曲が持つ力が強いのでセトリへ組み込むのが難しいかもしれないですが、今後も是非ライブでやってほしい。

また、「Heads or Tails」と「No Limit」では固有の楽曲がまだ少ないPSYCHIC FEVERの見せ場が作られていた点、それと「No Limit」でも「24WORLD」でもMA55IVEのラップパートが新たに追加されていた点がとても良かった。特に後者は、自分達が自分達らしく輝ける場所を地道に作り上げてきた“MA55IVEらしさ”のようなものを感じました。

あと「24WORLD」で冒頭を任された神谷さんの堂々たる歌唱も良かったですね。個人的に神谷さんの歌声はTAKAHIROさんっぽく感じることが多いんですが、時々ATSUSHIさんっぽく聴こえる部分もあって、きっと器用な人なんだろうなぁ(もしくはシンプルに超弩級EXILE愛が声にも反映されているんだろうなぁ)と思います。

ボーカル陣は各パートをグループごとで分けて歌っていたと思うんですが、ユニゾンで歌っていても結構一人一人の声を聴き分けられた記憶があります。それくらい、良い意味でアクの強いボーカリストが多いところが好きだなぁと改めて実感した時間でした。

【まとめ】

序盤にも書きましたが思っていた以上に“手作り感”があり、各グループの地力が感じられました。また、それぞれが今出しておきたいものをなるべく詰め込んで出してくれたんだなぁと思える内容でした*11。このイベントに来て、好きなグループや注目していきたいグループが増えた人は多かったんじゃないでしょうか。

その一方で、もしMA55IVEとPSYCHIC FEVERの曲数とバリエーションがもっと増えた後だったらどんな内容になっていたんだろうか…と考えたりもしてしまう。またこういう機会があってほしい…というかむしろ、また『THE SURVIVAL』をやってほしい気持ちです。

ひとまずは、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERのタイでの活動を応援しております。

 

こういったライブ感想、『RED PHOENIX』ツアーと『ANSWER...』ツアーも途中までは書いてあるので、順不同になってややこしいんですがひっそりと上げていけたらと思っています(複数のグループが絡んでいた今回ほど長くはならないと思いますが…)。

あとGENERATIONS関連の記事も書きためているのですが、今受けている講座の課題のテーマにGENERATIONSを選んだ関係でそれももう少し後になりそうです。

長くなってしまいましたが、読んで下さりありがとうございました。

*1:JAY'EDさん、NAOtheLAIZAさんと共に作詞に携わってます

*2:KAITAさんのInstagramより

*3:直近だと、今月4日間に渡って行われていたJr.EXILE総出演ライブ『BATTLE OF TOKYO』の全日程で披露された「Alternate Dimension」の振付もこのお二人だそうです(KAITAさんのTwitterより)。ユニークな音色を体現した振りが、何となく可愛らしかった記憶があります

*4:最近のインタビューでも語られていますが、PSYCHIC FEVERの半田龍臣さんは元々RIEHATATOKYO・HATABOYに所属していたため、このお二人とは元チームメイトの関係です

*5:あのダイナミックに波打つような動きはSWAG由来なんですね(学習)

*6:歌唱していない人達のバックダンサー感が無くなる効果もある?

*7:発声へのこだわりについてはインタビューでかなり深掘りされていました

*8:J-POPやエモーショナルなEDMにおける一つの定番と言えるコード進行。THE RAMPAGE「WELCOME 2 PARADISE」やBOT楽曲の「Alternate Dimension」、あとBALLISTIK BOYZ「Strangers」のサビなども類似形

*9:いつかはそういう温度感の曲もあるかもしれないな…くらいに考えていたので嬉しい誤算でした

*10:これも4-5-6的な進行ですね

*11:2014年との比較論もアリなのかもしれませんが、グループが違えば内容・演出もガラリと変わって当然ではあるので、必ずしも文脈を引き継がなければならないわけでもない、と考えています